2012年4月22日日曜日

KAN37849843210

原子力規制 国会論議を速やかに「社説」
信濃毎日新聞 04月22日(日)
http://www.shinmai.co.jp/news/20120422/KT120421ETI090005000.html

政府が提出した原子力規制庁の設置関連法案への対案を、自民、公明両党がまとめ、衆院に提出した。

 双方の案が出そろい、ようやく論議の土俵ができたことになる。

 4月発足予定の規制庁にめどが立たないのは、与野党の考え方の溝が埋まらず、法案審議に入れなかったからだ。

 これ以上、引き延ばすのは国会の怠慢である。互いに考え方をぶつけ合い、厳格で公正な規制行政を再構築しなければならない。

 政府案は、新たな規制機関として原子力規制庁を環境省の外局に設置するというものだ。さらに原子力安全調査委員会を設け、規制庁の仕事ぶりを検証する。

 原子力安全・保安院が、原発を推進する経済産業省に置かれ、チェック機能を十分に果たせなかったと批判されている。これを踏まえ、規制庁を経産省から分離したところに特徴がある。

 自民、公明両党は、政府案では規制庁の独立性に問題があり、政治が介入する恐れがあるなどと批判していた。

 提出された自公案は、環境省の外局として原子力規制委員会を置き、その下に原子力規制庁を位置付けた。規制庁は、あくまで事務局の役割である。

 規制委は、公正取引委員会と同様に国家行政組織法に基づく「3条委員会」とし、強い権限を与えている。省庁からの独立性を確保する狙いがある。

 双方の案には一長一短がある。例えば、独立性という点では、自公案が制度面で勝っているといえるだろう。半面、いざ事故が起きたときには、規制委では迅速性や柔軟性のある対応に欠ける恐れがあるとの指摘がある。

 どちらの制度を採用するにしても、「原子力村」の出身者がチェックする側の専門家の多数を占めれば、元のもくあみである。福島第1原発事故の検証を踏まえ、専門家の養成を含めた構造的な改革が求められる。

 一番の問題は、いまになっても肝心の国会審議のめどが立たないことだ。

 とくに、自民党は2閣僚の問責決議を受け、全面的な審議拒否の姿勢を貫いている。

 原子力規制行政の在り方について政府案を批判し続け、ここに来てボールを投げ返したのは自民党である。閣僚の進退問題とは切り離し、議論を深める責任があるはずだ。いつまでも棚上げにしておくようでは、せっかくの対案も本気度が疑われる。

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