2013年7月11日木曜日

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柳田さん「吉田元所長は誠実に経験語る人」
7月9日 19時12分
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▼全文転載


東京電力福島第一原発事故で政府の事故調査・検証委員会の委員長代理を務め、吉田元所長に聞き取り を行った作家の柳田邦男さんは、吉田元所長について「技術者としての信念に基づいて誠実に努力した」とする一方、努力しても解決できない事態を招いた事実 も踏まえ、「国や企業などの組織が安全を最優先に考える文化を確立する必要性を学ぶべきだ」と話しています。
柳田さんは、吉田元所長の人柄について、「聞き取りのときの印象は、取り繕ったり、つじつまを合わ せたりせずに、技術者らしく自分が経験したことについて誠実に語る人だと感じた。実際、危機に際し、東京電力の本店が政治の動きにうろたえるなかでも、惑 わされずに信念に基づいて、やるべきことをやったと思う。特に冷却に海水を使わざるをえなくなったとき、東京電力の本店が政府の空気を読んで、現場に待た せようとしたのに対し、表向き従ったようにして、実際にはゴーサインを出した判断には、技術者としての筋を貫く、彼の姿勢が表れている」と述べました。
一 方で、吉田元所長にもできなかったことがあるとして、「東電本店に在籍していたとき、津波対策の必要性を進言したと証言したが、経営陣を動かすまでには至 らなかった。そのことが結果的に、所長となった吉田さん自身に降りかかってくることになり、現場の努力ではいかんともしがたい事態を招いてしまった。吉田 元所長という人を、単にヒーロー視するのではなく1人の人間が安全に関する問題に直面したときに、それが最優先のこととして受け入れられるよう、国や企業 などの組織が安全を最優先に考える文化を確立する必要性を学ぶべきだ」と話しました。
そのうえで柳田さんは「今後、より掘り下げた事故の検証には、吉田元所長の心情や経験についての証言が欠かせなかっただけに、誠に残念で、お悔やみ申し上げる」と話しました。

海水注入問題とは

吉田元所長は、福島第一原発の事故の翌日、1号機の原子炉を冷却するために海水の注入を始めたあと、総理大臣官邸にいた東京電力の幹部から中断するよう要請を受けましたが、みずから責任で注水を継続しました。
政 府や民間の事故調査委員会によりますと、吉田元所長は、事故翌日のおととし3月12日に水素爆発を起こした福島第一原発1号機の原子炉を冷却するため海水 の注入に踏み切りましたが、総理大臣官邸にいた東京電力の幹部から菅元総理大臣が再臨界の可能性を疑いすぐに納得しなかったとして、官邸の決定があるまで 中断するよう吉田元所長に要請したということです。
しかし吉田元所長は、すでに海水注入が始まっていたことからみずからの責任で注入を継続し、本店には海水注入を中断したと事実と異なる報告をしていたということです。
政 府の事故調査・検証委員会は去年7月の最終報告で、この問題について、「海水注入のような事柄は現場の状況を最も把握し専門的知識がある事業者の責任で判 断するべきものだ。政府や官邸が陣頭指揮を執るような形で現場の対応に介入することは適切ではない」と批判しています。
 
 
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